勉強や遊び、アルバイトなど、時間を自由に使える大学生。社会人になると仕事に大半の時間を使うので、決して自由とは言えません。大学生のうちに将来役立つ資格を取得しておきたいですね。ここでは資格の選び方、独学で学べる資格や就活に役立つ資格を紹介します。
資格を選ぶ時のポイント
大学生の間に「資格をたくさん持っておいたほうがいいな」と漠然と考えている学生はたくさんいます。しかし、資格を取る理由を考えないまま、勉強するのはやる気がでません。目的がないまま勉強をしても身に入らず、なかなか資格に合格できない日々が続いてしまいます。まずは、資格を選ぶうえで、取得の理由について考えてみましょう。
希望する仕事のため
資格を持っていないと就けない仕事があります。例えば子どもを世話する「保育士」や医薬品販売をするための「登録販売者」などは、資格を持っていないと仕事ができません。将来なりたい職業を考えたうえで、取得すべき資格を考えましょう。
なにかと有利になる
社会的に認知度があり、評価をうけている資格があります。就活に役立つ「日商簿記検定」やグローバル化社会に役立つ語学の資格「TOEIC」など、ビジネスの場で役にたつ資格は持っていて損はありません。さまざまな職業に活かすことを考えて、資格取得を選びます。
関心を深めるため
人生を豊かにするために、関心がもてる資格もおすすめ。例えば、美しい字が書けるようになる「硬筆書写検定(ペン字検定)」です。ノートを取る時や書類を書く時など、日頃の生活で字を書く機会はあります。字がキレイ人は丁寧なイメージがつき、株があがりますよ。関心のある分野で、生活に役立つ資格取得を考えましょう。
独学で取得可能なおすすめ資格
社会人になると勉強する時間を短縮するために、すきま時間に駅チカのスクールに通ったりセミナーに通ったりと学ぶために時間やお金がかかります。独学で取得可能な資格は、勉強時間を確保できる大学生のうちに取得すると効率的です。
ITパスポート
情報処理技術者試験の中でも、基礎的な知識を認定する資格です。情報処理の促進に関する法律に基づいた国家資格として、年間の受験者数は77万人以上(H28年時点)と人気を集めています。
ITパスポート試験は、情報処理分野の入門資格です。多くの学生が独学で取得していますよ。販売されている参考書や無料で学べる勉強サイトなど、教材も豊富なのですぐに勉強を始められます。
注意点はIT系の職種へ有利になるとは限らないことです。IT業界では、知っていてあたりまえという内容なので、アピールできる資格にはなりません。IT系以外の職種にはPCやネットワークに関する基本的な情報知識があると有利になります。
日経TEST
日経新聞社が主催している、経済知力を認定するテストです。経済知力とは、時事問題に関する知識や社会をとらえる視野の広さ、知識を知恵にする力などのスキルを指します。常識から新しい考えを導きだす「インスピレーション」のような力です。新聞の記事タイトルから注目されるワードを推測する問題やその時の時事問題が出題されます。
公式テキスト・問題集が発行されているので、出題形式の対策をしながら勉強するのがおすすめです。ニュースや経済情勢へのアンテナをはれるようになり、ビジネスに活かせる思考力を養えます。大学生に人気の資格テストです。
合格・不合格という認定基準ではなく、スコアで評価されます。平均以上のスコアと取ると、経済知力が豊富だというアピールもできるので就活にも有利でしょう。
就活に役立つおすすめの資格
紹介してきた各資格は、もちろん就活にアピールできる資格です。ここでは、他の仕事に活かせるという面で就活におすすめの資格を紹介します。
日商簿記検定
日本商工会議所主催で、お金の動きをルールに沿って記帳できるスキルを認定した資格です。難易度も基本的な内容から工業簿記を含めたものまで、初級~1級まで段階が分かれています。
学習教材も豊富でネットや書店で購入可能です。勉強時間の目安としては、簿記3級が100時間と言われています。
年間約55万人が受験する資格試験で、取得すると社会的にも信頼を得られます。2級を取得していると簿記や会計の知識をアピールできるので、就活にも生きる資格です。
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
マイクロソフトのオフィスソフトが使えるスキルを認定する資格です。マイクロソフトが公式に主催しています。資格はいくつかの科目で分かれており、難易度は2つのバージョンがあります。スペシャリストレベル(一般)とエキスパートレベル(上級)の2つです。
MOS対策テキストや問題集などで学べます。パソコンをある程度使える人なら、短期集中で勉強するのがポイントで2週間の独学で取得する学生も多くいます。パソコンが苦手な人でも1ヶ月を目安に勉強に励むといいでしょう。
MOS資格は事務だけでなく在庫管理や報告書など、どんな仕事にも必要なスキルとして役立ちます。
資格取得を就活でアピールする時のポイント
就活に役立つ資格を取得したなら、アピール方法も考えましょう。
業界研究と合わせてアピールしよう
人が主語でなく、資格が主語となって会社の業界を希望する状態になっています。職種に関係がないと意味がありません。業界研究は、面接においても業界内の課題や現状をとらえているアピールになります。面接官には「ここで働く具体的なイメージを持ったうえで、志望しているな」と魅力的に移るはずです。
取得までの過程を伝えよう
資格は取得した結果をアピールしがちですが、取得までの努力や工夫を伝えるほうが大切です。面接官は資格より、試行錯誤してものごとに取り組めるかを見ています。取得までの過程を具体的に伝えると有効です。「やる気があったので取得した」というより「継続力を活かし計画をたてて取得した」というように、強みをアピールします。苦手の原因だった継続して勉強する習慣を克服して取得したのなら、その経験を具体的にアピールするのもいいでしょう。面接官は就職後あらゆる業務において、真摯に向き合える人材かを見ています。資格取得の経験は学びに対する価値観や、姿勢をアピールできるチャンスです。
入社後に資格をどう活かすかを伝えよう
資格を持っていてもどのように活かすのかを考えていなければ、取得した理由としては説得力に欠けます。就職後には取得した資格で“なにをしてみたい”のか話せると良いでしょう。
コンサルティングや製品のブランディングに取り組む事業であれば「日経TESTの考え方を活かして新しいニーズや市場開拓に貢献してみたい」とアピールできます。外資系企業の面接であれば、語学系の資格を活かし「海外営業として活躍したい」というのもありですね。
資格はあくまで一つの武器に過ぎない
資格は就職活動や将来の、武器です。その武器をどのように使いこなすのかは本人次第になります。
基礎的な能力だけを身につけて、武器を装備しているだけでは意味がありません。資格を活かすには、実際の現場で実行する力やコミュニケーション能力が必要です。人の能力と言うのは、資格だけでは測れません。
経験を積み重ね「結果がだせる人」を世の中は必要としています。決して「資格を持っている人」ではないと知っておきましょう。結果をだすために試行錯誤を繰り返し実践する人は、成長できる人です。大学生の資格取得から学べることは、勉強の過程から意味を見いだし自信をつける気持ちです。勉強する過程で自信がつくでしょう。
ただなんとなく資格を取得するぐらいなら、その勉強時間をサークル活動や、遊びを楽しむ時間に充てたほうが大学生活は充実します。本当の意味で活かせる資格取得にチャレンジしましょう。