運動系のサークル活動

「兼サー」とは、2つ以上のサークルを掛け持ちで所属することです。体育会系の部活に入部したり面白い課外活動をするサークルに所属したりと、やりたいことが多い学生は兼サーで両立しています。時間に余裕のある新入生は、兼サーしやすい環境。同級生に合わせて参加するサークルや自分の趣味嗜好に合せるなど、兼サーは自分の感覚で自由に選び活動するといいでしょう。

兼サーの数やサークルの頻度、メンバーの雰囲気などで兼サーを楽しめるかが変わってきます。兼サーするサークルの選び方やメリット・デメリットをふまえて、さまざまな部活やサークルを体験してみましょう。

兼サーのメリット

人間関係の輪が広くなる

活動場所が増え、コミュニティを広げられるのは1つのメリットです。新しい人と出会う機会が増えて、共通の活動を通して多様な人と触れ合えます。通常の大学生活では、他学部以外や他校の学生と友達になれる機会は少ないです。兼サーをしていると2倍、3倍もの出会いのチャンスを作れます。

やりたいことをすべて試せる

興味がある分野に時間をかけて取り組めるので、大学生活を謳歌できます。イベントや企業のプロジェクトに取り組んだり、新しいスキルを身につけたりするような、さまざまな活動を続けていると自分のやりたいことが明確になってくるでしょう。本当にやりたいことが見つかるのは、情熱がもてる道を見つけたのと同じです。大学生活の中で、「スタートラインに熱意を持って立てる」という表現がちょっとピンときません。

暇にならない

大学の授業は単位制。時間割を自分で組みます。スケジュールの融通が利くので、3・4限で終わる日や週に3日しか登校しない日などがでてくるでしょう。そのため、時間を持て余す学生も多くいます。兼サーをしていると、ダラダラしている時間をサークル活動に充てられるので有意義な時間を過ごせるでしょう。サークルや部活によって週1の活動と少ないところもあるので、兼サーをしてスケジュールを埋めるのも一つの手です。

兼サーのデメリット

深い人間関係が築きづらい

兼サーをしていると、活動予定がかぶるイベントも多くあります。ハロウィーンやクリスマスなど大々的なイベントでは、どのサークルにするか選んで参加するしかありません。交互に参加するのは可能ですが、メンバーとの交流が薄くなりがちです。メンバー同士の関係が深まるほど、打ち解け具合に差が感じられるかもしれません。

金銭的に余裕がなくなる

サークルを掛け持ちしていると、飲み会や合宿にかかる出費が重なります。金銭的に余裕がなくなる学生も少なくないでしょう。ダンスサークルで着る衣装や楽器を使う部活動は、道具の購入が必要です。どのような出費があるか考えて兼サーをしないと、金銭的な面で活動できなくなってしまいます。

勉強がおろそかになりがち

出費の多い兼サーをしているとお金を稼ぐためにアルバイト時間が多くなり、勉強する時間が少なくなってしまいます。学生だけで活動しているので、勉強しない学生が多いサークルだと集団心理が働き勉強意欲が下がってしまうでしょう。メリハリをつけてサークル活動を楽しむ人でなければ、兼サーは向きません。

兼サーの選び方

気になるものは見学

大学によってサークルの数や種類が異なります。活動内容がわからないような集まりもあるので、気になったら手当たり次第に見学してみるといいでしょう。中には集中して活動したいため、兼サーNGのサークルや部活も多くあります。見学の際に兼サーできるか確認しましょう。新入生歓迎会を指す「新歓」を決め手に参加を決める学生は多くいます。活動内容はもちろんですが、雰囲気も大切。新歓で先輩達と触れ合いながら、良好な関係性が築けそうかを見極めましょう。

運動系サークルと文化系サークルに分ける

ダンスサークルとバスケ部など、体を動かすサークルや部活の兼サーだと体を使う時間が長く疲れてしまいます。身体的な疲労がたまらない、漫画サークルや吹奏楽部など文化系の兼サーと合わせるとバランスよく、どちらの活動を楽しめるでしょう。週1程度の友人作りが目的のサークルや居心地がいいサークルなど、コミュニケーションを中心に考えている活動との兼サーもおすすめです。

活動日時・頻度のチェック

兼サーと勉強を両立できるように、各サークルの活動日時をチェックしましょう。活動日と講義が一緒の曜日だったり他のサークルと予定がバッティングしていたら活動に参加できません。サークルの頻度も同様です。週に3回のサークルを2つ兼サーしてしまうと、ほぼ毎日サークル活動しているスケジュールになってしまいます。兼サーをする場合、頻度の少ないサークルを掛け合わせるといいかもしれません。

自分の中で選定基準を設けて、さまざまな活動の新歓に参加しながら兼サー候補を探しましょう。

サークルに入部してからのギャップ

新歓で感じた雰囲気や活動内容に魅力を感じて入部を決めたものの、イメージと実際の活動にギャップを感じる学生も多いようです。

思っていたよりも活動がハード

新歓の時は、週に活動が3回と言われていたバスケット部。実際は規定練習が3回で自主トレメニューを別に設ける体育系も多いようです。活動以外にも任意の練習と銘打って、厳しい活動をするサークル「ガチサー」を行う大学もあります。兼サーをしたい学生にとっては、ガチサーはハードルが高いですね。

上級者向けだった

初心者歓迎というサークルだから入ったのに、実際は上級者だけの集まりだったという声もあります。例えばジャズサークルという、楽器を演奏するサークルです。楽器すら持ったことがない状態にもかかわらず、楽器の購入から音出しまで「1人で頑張らなければいけなかった」と言う体験談も。上級者だけが集まるサークルもガチサーの一つです。周囲が上級者だけだと精神的にも辛くなってしまうので続けられないでしょう。

飲み会が激しい

大学生のサークル活動において失敗体験談として多くあがるのは、飲み会です。テニスサークルやイベントサークルでは、打ち上げとして飲み会の回数も多いようです。「激しい飲み会」というのは飲酒の量が多く、お酒が苦手な人も飲まざるをえない状況の飲み会を指します。新歓の時は熱意のある活動内容でも、実際は飲みサーと呼ばれるぐらい、飲み会がメインのサークルもあるようです。

思っていた活動と違うサークルを兼サーしていると、大学生活が楽しめなくなるでしょう。

兼サーにおすすめのサークル

ボランティアサークル

大学周辺の地域や環境の課題に対して、ボランティア活動をするサークルです。まちづくりや子ども支援など、大学のサークルによってテーマはさまざま。イベントごとの活動が多いため、活動頻度が少なく、スケジュールが立てやすいサークルです。NGOやNPO団体の募集に参加するプログラムを組むサークルもあります。ボランティアのリアルな現場を体験できるので、1つの人生経験としても貴重な時間が過ごせるでしょう。

国際系サークル

留学生との交流や国際交流イベントを開いたりするサークルも、兼サーにおすすめです。異文化交流や語学交流がメインの活動なので、毎回同じメンバーではなく、初めて出会う人も多くいます。参加頻度が少なくても、気兼ねなく楽しめるでしょう。英語スキルも身につけるので、就職活動でもアピールできます。学んだ英語をアウトプットする場として、気軽に兼サーしてみるといいでしょう。

インカレサークル

他大学の学生と、知り合えるサークルです。通っている大学以外の人と友達になれるので、意見交換や他大の内情など、大学生にとって有益な情報が手に入ります。就活に向けてコネクションも増えるので、人間関係を広げる場としておすすめです。学生の中には交際相手を探すサークルとして活用している人も多いとか。他大学の学生と交流を深めると、学内の世界だけでなく広い視野がもてるようになるかもしれません。

知識を深めたり、人間関係を築いたりと兼サー(兼部)のメリットはたくさんあります。デメリットも踏まえたうえで、ぜひ兼サーにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。