実家から離れて大学生活を始める学生さん。今まで家族と一緒に過ごしてきたので、1人暮らしを始めるにあたって何から手をつけていいのかわからない方も多いと思います。進学を控えた学生の住まい探しは、どういった点に気をつければいいのでしょうか。春の引っ越しシーズンに向けて、部屋探しの段取りや物件のチェックポイント、学生さんの賃貸契約について紹介します。
部屋探しの段取り
一般的に4月に行われる大学入試。それまでには引っ越しを終えて、入試本番に向けて集中したいですよね。入試結果がでてから引っ越す方も多いと思います。新生活に向けてまずは、部屋探しの段取りから考えていきましょう。
家賃の金額を決める
部屋を決めるにあたりまず決めておきたいのは金額です。大学生になって一人暮らしする人にとって、1ヶ月にどれぐらいの生活費がかかるのかイメージがつきづらいかもしれません。家賃は毎月一定額として必ず支払う、固定費です。月単位で見ると少額に思えますが年間で見ると大きな金額の差がでてきます。仕送りで大学生活を送る人やアルバイトをして収入を得る人、さまざまな学生さんがいます。目安としては、月収の3分の1以下を条件として考えておくといいでしょう。不動産によって、敷金・礼金・仲介料などの「初期費用」にも差があるので確認が必要です。
物件検索をする
予算の目安が決まったら、次は物件探しです。物件を検索するなら、幅広く情報を得られるネットを活用しましょう。ネット検索では、エリア検索が便利です。大学へ通学するのに便利なエリアはどこなのか前もって調べておくと、スムーズに物件を絞り込めます。エリアまで絞り込めたら、さらに項目を絞って検索。見落としがちなのは入居可能な時期です。退去予定が決まっている物件も多数紹介されているので、希望入居日に間に合うか確認してください。急いでいる場合は「即入居可」と記載してある物件を狙うといいでしょう。
不動産会社に問い合わせる
候補がいくつか決まったら、不動産会社へ連絡します。急いでいる場合は電話で問い合わせましょう。条件の良い物件はライバルが多いのでじっくり考えようと保留しておくと、申し込みが決まってしまいます。見学を希望したい場合や質問が多い場合、メールで問い合わせると伝わりやすいです。担当の方が調べた上で、返信がもらえるのでネットに掲載していない情報も教えてくれる可能性が高まります。
部屋探しのチェックポイント
ざっくりと部屋探しの段取りにイメージがついたところで部屋探しの条件、チェックポイントについてさらに考えていきましょう。金額・エリア、希望条件をすべて満たすのは難しいかも知れません。紹介するチェックポイントでこれだけははずせない!という優先度を1~3つ決めておくと判断しやすくなります。
間取り
間取りは部屋の広さを表します。1人暮らしだと広さ順で1LDK→1DK→1K→1R、あたりがおすすめです。LDK(リビングダイングキッチンの略)は全体で8畳以上あり、リビングが広くキッチンが独立しているタイプです。食事の場所とくつろげる場所を分けられるメリットがあります。1DK(ダイニングキッチンの略)は4.5畳以上8畳未満の広さです。広さにゆとりはないものの、キッチンと部屋が独立しているので、どちらも1つの部屋として使えます。
1K(ワンキッチンの略)はメインの部屋とキッチンの間に扉があります。調理スペースと玄関が繋がっていたり洗濯機置き場と繋がっていたりします。1R(ワンルームの略)は、キッチンと部屋が分かれていません。1ルームの広さをうまく利用するのがポイントです。
寝る部屋と食事の場所を完全に分けたい人。キッチンへの導線が便利な部屋に住みたい人など、ライフスタイルにあわせて間取りを選びましょう。
設備
快適な生活を送るには、部屋の設備も気になるところ。設備の条件として外せないのは「バス・トイレ別」です。1Kや1Rの間取りは部屋の広さを確保するため、浴室内に洗面台とトイレが一緒で、かつユニットバスを設置している物件が多いです。ゆっくり浴槽に浸かりたい人にとって、トイレと一緒の空間にあるユニットバスではくつろげないかもしれません。バス・トイレ別ははずせないポイントとしてみるのもいいでしょう。
次に便利な設備は「浴室乾燥機」です。勉強とアルバイトを両立する学生さんは、忙しくて洗濯物がたまりがち。1度にたくさんの洋服を部屋干しすると、場所をとったり来客にみられたりしてしまいます。ですが、浴室乾燥機であれば部屋干しのスペースをとりませんし、人の目が気になりません。洋服のダメージも少なく、短時間で乾燥できるので快適です。
その他、駅チカやスーパーなどの周辺環境、築年数、日当たりなど、見学でわかるポイントもあります。初めて一人暮らしをする人は、母親や兄弟など、家族から部屋探しのチェックポイントについてアドバイスをもらうといいでしょう。
学生マンションと普通マンションの違いやメリット
大学生の1人暮らしをするにあたって、学生マンションもおすすめ。学生マンションは、普通のマンションにはないメリットがあります。
学生マンションは家電や家具、設備がすでに整っています。そのためササっと生活をスタートできます。インターネット回線利用込みの物件が多いので、大学の授業で行うレポート作業や調べものもすぐに取り組めるでしょう。初期費用の割引や特典がつく物件も多く、不動産会社によってさまざまな施策があります。
注意点としては、家賃が高い傾向にあるのと更新料のかかる物件が多いことです。更新料の金額や期間についても確認しておきましょう。また、普通のマンションとは違い、住んでいる住民はすべて大学生です。騒いでいたり集まってワイワイしていたりすると、うるさく感じてしまう人もいるでしょう。
学生が賃貸契約する方法
学生の場合、アルバイト先は決まっていても、安定した収入を見込めません。契約者は親の名義になる可能性が高くなります。学生名義で契約する場合、収入のある連帯保証人が必要です。両親や兄弟、親戚などが連帯保証人を引き受けるケースが多いでしょう。年金暮らしの祖父母の場合、条件を満たせません。郵送で書類等を送ってもらう場合は、その時間も考慮して契約日を決めてください。
契約時に必要な書類
- 住民票
- 印鑑・印鑑証明
- 保証人の同意書・印鑑証明
- 入居にかかる費用(敷金・礼金・仲介料など)
- 収入を証明する書類(源泉徴収票・納税証明書など)
※契約者が学生の場合、連帯保証人の収入で判断される
その他、不動産によって「学生証」や「合格通知書」などが必要になるケースも。契約に必要な書類は準備に時間がかかるため、余裕を持って確認し用意しておきましょう。
失敗しない部屋探しのために
大学生の部屋探しは、段取りやチェックポイントを考え計画的に進めることが大切です。エリア条件だけにこだわると、設備を見落としてしまったり、周辺環境が悪かったりするケースがあります。築年数や設備など住みやすさだけを重視すると、通学に不便で小さなストレスが溜るかもしれません。条件に優先順位を決め、最低限の妥協線も決めておくといいでしょう。契約が決まった後には引っ越しもあります。引っ越しにかかる費用もふまえて、物件を契約してください。
はじめて1人暮らしをする大学生の方に向けて、部屋探しの参考になる情報を掲載しました。ぜひ参考にして、スムーズに新生活をスタートしてください。